箒に乗る法



そしてとうとう再テスト当日。
補習はハリーと一緒に夕日を見ただけに終わり、
結局一人で乗る練習は全くしなかった。
それだけに再テストまでの時間がとても長く、つらいものに感じられた。
本当は弱音をはきたかったが、それは、ハリーにとって失礼なことになるので、
はグッと我慢していた。


、怖がらなければ、絶対に大丈夫だから。」

再テストの前の昼食の時間、ハリーはそう言った。
は、何も言わずに頷いた。

、大丈夫だよ。ハーマイオニーでさえなんとか飛べるんだから。
 が飛べないはずないよ。」

「ちょっと、ロン・・・私でさえ、ってどういう意味!?」

「あ・・・別に・・・」

そのロンとハーマイオニーの会話を聞いて、少しは緊張がほぐれていた。

『ありがとう。私、絶対合格するからね。』

は、心の中で、そうハリーとロンとハーマイオニーに感謝していた。




「ミス・。ちゃんと練習してきましたか?」

「・・・はい。」

マダム・フーチの問いに、は冷静に答えていた。

「はい、それでは、箒に乗って、あの塔の周りを一周して帰ってくる。よろしいですか?」

「はい。」


はドキドキしていた。
ハリーも、が飛ぶのを見守っている。

は、箒の柄を握った。
しかし、その瞬間、手が震え始めたのだ。

は戸惑った。
ここで、再テストで合格しなかったら、二年生になれないよ…


その時、ハリーがの近くに歩いてきて、スッとの手を握った。

「大丈夫。絶対にできる。昨日の感じ、思い出して。」

ハリーは、ジッとの目を見据えてくれた。
お陰で、ハリーが手をはなしてくれたときには、の手の震えは止まっていた。


は、ギュッと柄を握り、足で地を蹴った。
すると、ふわっと空中に浮き、そこで箒がとまる。
そしてゆっくりと前に体重を掛けた。

一瞬ほうきから落ちかけたが、その後は、なんとか順調に塔のところまで来た。
そして、フッと顔を上に向けると、きれいな青空がどこまでも広がっていた。
雲ひとつない、とはこのことだ。
これほどきれいな空はみたことない!!
こんなにきれいな空をハリーは、クィディッチの時に見ているんだ、と考えると、
は無意識に口元が緩んでいた。


そんなことを考えているうちに、の足が地面につき、なんとか着地した。






*   *   *   *

すごかったわね!!ハリーにも劣らなかったわよ!」

「本当に!!もしかしてにも最年少シーカーの素質があるかもしれない!!」

「やめてよ、ロンもハーマイオニーも。私、大したことしてないわ。」

はちらっとハリーを見た。
ハリーもちらっとを見て、くすっと笑った。

「全部、最年少シーカーのお陰よ。ありがと、ハリー。」

そう言って、は、ハリーの頬に口付けた。






終・・・ほうきに乗る法