Sumire
厳しい冬が終わり、春が近づいてきた頃。
グリフィンドールの談話室にも、少しずつ、春が訪れていました。
・・・と言いたいところだけど、そうでもなさそうです。
特に、この二人に至っては。
「きゃあ!ロン、何やってるのよ!?私の服にバタービールかかっちゃったじゃないの!!」
「ハーマイオニーがそんなところにいるのが悪いんだろ!?」
「何言ってるのよ。ソファの上に立ってるあなたがどう考えたって悪いに決まってるじゃない!
だいたいその年になって行儀悪いとか思わない!?」
「残念ながら思いません!君も、そんなに若いのにそんなに説教ばっかりしてると、
一気におばさんになっちゃうぞ。」
「失礼ね!面倒見がいい、って言ってくれる?全く子どもなんだから・・・」
「ねぇ・・・ハリー・・・」
がロンとハーマイオニーが喧嘩しているのを眺めながらハリーに尋ねた。
「何?」
の隣に座っているハリーも、二人の喧嘩を見ている。
「あの二人って、本当に付き合ってるの?」
は眉間にしわをよせて、ハリーの方を見る。
「た、多分・・・僕もいまいち自信がなくなってきた・・・」
と、ハリーは苦笑した。
ロンとハーマイオニーはいつも喧嘩ばっかりしている。
絶え間なく・・・
何かある毎に言い合いをしている。
には、それが不思議で不思議でたまらなかった。
「でも、あれが二人のコミュニケーションなのかなぁ?」
「そうかもね。あれでつりあい取ってるんだよ。恥ずかしさと自分の気持ちの。」
「きっとそうだよね。ちょっと素直になれないだけで、本当は、お互いとっても好き合ってるのよね。」
「でも僕達も結構好き合ってると思わない?」
「は、はりー・・・あなたね、真顔でそんなこと言わないでよぉ〜。」
は、自分で顔が真っ赤になるのを感じた。
談話室は、まだ暖炉に火をたかないといけないくらい寒いはずなのに、
の顔だけは、お風呂上りのように熱かった。
「あ、、顔真っ赤。」
「それ、言わないでよ!!自分でも分かってるんだから・・・」
「でも、可愛いよ?」
あぁ〜
自分ってハリーの前では本当に無力・・・
はつくづくそう感じるのだった・・・
「けっ喧嘩するほど仲が良いって訳よね。結局。」
は、ハリーに負けじと気をとりなおしてそう言った。
「喧嘩してるってことは、仲がいい証拠なんだ?じゃ、僕らが仲いい証拠は?」
「そんなこと・・・今だってこうやって一緒にいるでしょ。それじゃ・・・ダメ?」
ダメなのね・・・
は、ハリーの顔を見て、自答した。
には、ハリーが求めていることがなんとなく分かった。
でも、ここは談話室。
ロンとハーマイオニーだけじゃなくて(この二人はまだ大声で喧嘩していた)、
フレッドもジョージも、ジニーも、みんないるのに!!
は、もう一度冷静になってハリーに尋ねた。
「へ、へんなことしろってゆーんじゃないわよね?」
「、まさか変なこと考えてたとか?」
ハリーがニヤッと笑う。
この卑怯者〜!!とは心の中で叫んでいた。
ハリーは、自分がハリーに抵抗できないことを百も承知なんだわ。
いつもは負け。
「はりー、ずるい!!いつもわたしのまけじゃない・・・」
「それはお互い。だって、時々、卑怯なくらい可愛い笑顔みせる時あるし。」
「そ、そんなことゆったってだめだからね!!」
「はは。、さっきから全部平仮名なんだけど・・・」
そう言って、ハリーは面白そうに笑う。
「もう!からかわないでよ〜!!」
* * * * * * * * *
「ねぇ、ハーマイオニー。あの二人ってあんなに仲良くて恥ずかしくないのかな?」
ロンとハーマイオニーの喧嘩が一段落したあと、ロンが呆れてハーマイオニーに尋ねた。
「こっちが見てるだけで恥ずかしいわよ!でも、あれがとハリーの好き合ってる証拠なんだし。」
「僕たち喧嘩ばっかだよね?」
「・・・そうね。」
「ちょっと仲良くしてみる?」
「・・・・・・・」
「・・・・・・・」
「・・・・・・・」
「お願いだから、ちょっとは否定してくれよ!気持ち悪いから。」
「気持ち悪いって何よ、失礼ね!!
私だって・・・ちょっとは、ちょっーーーーとくらいは・・・」
「??聞こえないんだけど。」
「聞こえなくて結構!!私、もう寝るからね!」
「なんだよ、自己完結するなよ!気になるだろ。」
「じゃあね!おやすみ!!!」
「おい、ハーマイオニー!!」
ロンとハーマイオニーの稚拙な恋も、そろそろ終わりを告げる頃・・・
やっぱりグリフィンドールの談話室には春が訪れていました。。
終わり