Breakfast
がホグワーツに転校して一年。
友達もたくさん出来たし、次の教室へ行くのにも一人で迷わずに行けるようになった。
「おはよう、。」
そう声を掛けてくれたのはハリー。同じグリフィンドールで、一番に仲良くなった。
今日は授業が休みで、みんな起きるのが遅い。
今は7時だが、談話室にはハリーと、他に数人だけだ。
ハーマイオニーも今日は何故か早く起きようとはしなかった(いつもなら早起きして図書館に向かう)。
「おはよう、ハリー。ロンは?」
「ロンはまだ寝てる。」
そう言ってハリーは苦笑する。
「春だから?」
「・・・ん、まあ、春だからかな。」
「春眠暁を覚えず・・・って知らない?」
「知らない。」
「春は眠い、ってこと。・・・その割りに、ハリーは眠たくなさそう。」
「僕は、と一緒に朝ごはん食べに行きたいから早起きしてるんだよ。」
「ハリーが遅くても私待ってるわよ?」
「一回置いてかれたことあったよ。」
「え?そんなことあったっけ?」
「あったよ!!バレンタインデーの日。」
「だってあれは・・・朝早起きしてハーマイオニーとチョコレートを・・・」
「僕は、いつも朝一番にが見たいんだ。のことが・・・」
「あっ、ロンが起きてきた。」
は、ハリーの言葉の続きをなんとなく聞きたくなくて、
ハリーの言葉を遮った。
薄々、ハリーの気持ちには気づいていた。
ハリーの早起きの訳も。
でも、はハリーのことをそんな風に考えたくなかった。
確かにハリーは勇敢で、優しくて、それでいてクィディッチも上手いし。
だからこそ、私なんかと付き合うのは、もったいないような気がするのだ。
現に、レイブンクローのシーカーの方が可愛くて、
クィディッチも上手くて、ハリーに似合う気がするし。
「ロンが起きてきたなんて嘘だ。話逸らさないでよ。」
ハリーが少し怒った風にを見つめる。
は、ハリーの緑色のキレイなひとみにドキリとした。
ハリーってこんなに大人っぽい顔だったかな…と、は思った。
「はいつも、僕の目見ないの、なんで?」
恥ずかしいから。
は心の中で即答した。でも、口では言えなかった。
好きな人の目を見ると、絶対赤面しちゃうし、いつもと同じように振舞えないし、
とっても都合が悪いんだもん。
は俯いて、そんなことを考えていた。
「それに、僕が話を切り出すと、絶対に別の話題振ってくるよね?」
「だって、それは・・・」
ますます何も喋れないじゃない。
ハリーはズルイ。
「それに、僕と二人だと無口になるよね?」
否定できない。
「それに・・・」
そう言ってハリーは一瞬淋しそうな顔になった。
「ロンにはちゃんと笑顔であいさつするのに・・・」
「え!?そんなことしてた??」
「毎朝だよ!!僕には、『ロンは?』って聞き返すだけだし。」
「・・・」
そういえば、ハリーと不自然な話にならないように、毎朝ロンのことで会話が始まる。
別に、ロンのことが本当に気になるわけじゃない。
単に、ハリーと話をしたいからであって・・・
「それは別にね・・・」
「いつも、の表情見てたら、分かってきたんだ、そういうとこ。」
「いつも?」
が聞き返すと、ハリーは頷いた。
「僕は・・・が好きだから。なのに、笑顔がロンだけに向けられると、すっごくムカつく。」
そう言ってハリーは怒ったフリをした。
「ハリー・・・」
「やっと言わせてもらった!!」
「へ・・・?」
「だって、いつも僕と話したがらないし、ずっと言いたいことも言えなくて、
気持ち悪かったんだ!今日は言わせてもらった!!」
「ハリー・・・わ、私も・・・」
は、言おうと思った。
『自分も好きだ。』と。
でも、どうしても、ハリーとの釣り合いを考えてしまい、口から言葉が出なかった。
「で・・・でも、私、臆病だし、クィディッチ下手だし、チョウより・・・可愛くないし・・・」
「そんなこと関係ないよ。臆病なのは、僕が守ってあげる。クィディッチ下手だったら、僕が教えてあげる。
それに・・・」
そのあとの言葉は、ハリーはに耳打ちした。
周りの人に聞こえないように。
『は、世界で一番可愛い。』
END